200907 喜界島、奄美大島、鹿児島

2009/7/17〜7/26
当初は何の考えも無く、未踏の地・奄美大島へ行くつもりだったのだが、皆既日食のおかげで入島制限だとか民宿もホテルも満室で旅費が通常の10倍になるという異常な高騰ぶりを見せつけられ断念。しかし知ってしまったからには皆既日食見たい。諦めきれずネットをさまよって発見したのがこのサイト。ってことで夏休み2回目は喜界島に決定!




喜界島へは鹿児島からフェリーで向かう。1人1畳も無いほどの狭いスペース(2等和室なので仕方ない)ではあるが、満室ではなかったので余裕があってよかった。出港直後に外が騒がしいな、と思ったら桜島が噴火していた。


明けて翌日早朝、喜界島に到着。この南の島独特の雰囲気がいい。臨時のバスでテントサイトへ向かう。


そもそも私は河原とか海辺での1泊キャンプ(車付き)しか経験がない。荷物は少なくしたいし、不安もあった。ので、事前に島の担当者にしつこく確認した。テントサイトでは1人につき2m×2mの区画が割り当てられ、その範囲内にテントを設置する。火気の使用は禁止、など。だから私は自炊を諦め、その範囲に収まるよう小さなテントを購入して行った。実際には区画を守る奴なんて誰もいなくて、1人で大家族サイズのテント張ってる人もいたし、ヒッピーもどきみたいな若者は夜になるとBBQを始めて夜中までワーワー騒ぐわで、私のような真人間(自分で言うか)は損をする、なんて考えながら数日間を過ごす羽目になった。


喜界島は、2日もあれば充分観光できる小さな島だった。空港の看板に記載されている見所から島の住人に教えてもらった場所まで、全部まわった。遺跡では発掘をしていたり、たまたま立ち寄った小学校では、オオゴマダラの飼育を見せてもらった。黄金色のサナギなんて初めて見た。
ちなみに夕日がキレイだという荒木中里遊歩道は普段は人通りがないのか、クモの巣だらけでゲンコツサイズのクモが待ち構えている。いくらキレイでも、夕日が沈んだ後の暗い遊歩道を歩くのはちょっと遠慮したい。
クモの糸に吊られた葉っぱ。これが夜だったらビビる大木。


ある日の朝食。


スーパーで売っていたバナナ。


ミキという名の飲み物。


天気予報がイマイチだったので期待半分、諦め半分で迎えた当日。朝起きて空を見上げると、見事に曇っている。まぁ雨ではないし、時折雲の切れ間から太陽が見えるってことで、テント前にビニールシートを敷いて待機することに。デジイチは持ってきていたけど、三脚もフィルターも用意していない。自分の目で見ることをメインに、撮れたらいいなーくらいに思っていた。ただひたすら、待つ。
日食メガネヨシ、カメラヨシ、横になってぼーっとしているとなんか段々寒くなってきた。と、わき上がる歓声。ついにきたか!?慌てて日食メガネで太陽を覗くと‥欠けはじめてるー!手持ちなのでブレてるけどなんとか撮影した1枚。
ダイヤモンドリング


絶景を見た時とか、山頂に着いた時もやっぱスゲーって感動するんだけど、全然違う。体の底からゾクゾクするような感動だった。
日食直後の様子。輪。


日食の余韻に浸りながらいつものお風呂(喜界第一ホテルが1日500円で入らせてくれた)でサッパリして夕飯を食べ、特にすることもないので早寝していると、明け方3時頃にテントを訪れる人が!何事か、と思いきや暴風雨で避難勧告が出ているので公民館へ移動してくれと。確かに、中から見てもすごい雨音と風でテントがひん曲がっている。傘はないがカッパはある。持っててよかったストームクルーザー。
公民館にはコンセントがあったので、携帯&iphoneを充電させてもらった。ついでにダメ元で調べたら、喜界から奄美への飛行機に空席がある。空宿もある。これは‥!数時間後、私はテントを撤収した。




奄美大島は都会だった。今まで喜界島でテント暮らしだったから余計にそう感じるのかもしれない。数日ぶりに、私はダンボールと980円の寝袋から開放された。いいホテルだったなー。ホテルカリフォルニア奄美だけどカリフォルニア。名瀬に行く時も、奄美大島紬村へ行く時も車で送ってくれてとても助かった。感謝。名瀬では郷土料理の鶏飯を食べた。ヤバイね、コレ、うまい。


大島紬村では、泥染体験をした。ハンカチと暖簾。紐やゴムをつかって布を縛り、模様を作る。縛り方によってこんな模様ができるという簡単なレクチャーがある。ハンカチは全く意味不明な模様に仕上がった。暖簾は皆既日食をイメージしてドーンと大きく円を作りたかったので、そういう風にイメージを伝えたのだが、できあがってみるとドーンとひし形になっていたのには笑った。あぁ、コミニュケーションって大事。


久々の都会を楽しんだ後は、喜界島に戻って再びフェリーで鹿児島へ。帰りは大変だったー。まさにスシ詰め状態、みんなが布団敷いたらもはや足の踏み場、通り道は無い。寝るしかない。




で、鹿児島に着いたら電車に乗ってまた移動。次は指宿へ。目的はもちろん指宿名物、砂むし温泉!東京で暮らしていると、つい忘れてしまう。電車は2分おきにくるものではないということを。こうして電車を待つのも旅の醍醐味だ‥と思えば‥。
ホテル(指宿ロイヤルホテル)に着いたらとりあえず荷物を置いて窓からの景色を楽しむ。うん、大雨。夕食までは時間があるし、さっそく着替えて砂むし会館「砂楽」へ。ホテルから無料のシャトルバスあり。
受付を済ませたら、専用の浴衣に着替えていざ、海岸へ。誘導されるまま砂の上に横になると、わっさわっさと砂をかけられる。段々ムシっとしてくる。まさに蒸し風呂。事前にカメラを渡しておくと蒸されている状態の写真を撮ってくれる。といっても砂や湿気多いから、自己責任。防水、防塵のコンデジ持ってけばダイジョーブ。この写真見せると、10人中10人が笑う。もう誰にも見せない。10分くらいすると全身から汗が出てくるとのこと。私は15分でギブアップ!盛った土の中からボコっと腕を出し、腹に乗った土を落とす。出るのはカンタン。浴場手前で砂を落とし、砂むし会館の温泉へ。バスの時間が迫ってたので、適当に汗を流したら温泉を出る。どうせ後でホテルの温泉にも入るし。


ホテルに戻ると、ちょうどいい時間。とりあえずタオルなどを部屋において、レストランへ。最後の最後に、贅沢な会席料理。終わり良ければ全て良し。さらに私がじゃらんで予約したプランには「カツオのタタキ食べ放題」というのがついていた。私は会席料理で充分満足してしまったので、2切れほどいただいた。お腹がすいている時に食べたいね。


温泉で気分スッキリおいしいご飯に満腹とくれば後は寝るしかない。部屋に戻ったらあっという間に寝てしまった。そのせいか、夜明け前に目が覚めてしまった。そういえばホテルの温泉に入ってない。朝5時から入浴可能だったので、行ってみた。5時ジャストに部屋を出たんだけど、先客が2名いた。私の行きつけのスーパー銭湯に比べれば狭い(当たり前か)が、温泉はよかった。お湯の成分とか効能はよく分からん。海に面して緑に囲まれた開放感が、気持ちよかった。外だし、もうちょっと熱くてもよかったかな。部屋に戻ると友人が起きていた。「なぜ起こしてくれなかった」という顔でこちらを見ないでください。友人が温泉へ行ったので、朝食の時間まで2度寝することにした。


ホテルをチェックアウトした後は、時遊館COCCOはしむれに向かった。勾玉を作るために。HPには体験時間60〜90分と記載されている。帰りの飛行機の時間から考えて、90分ならギリギリ間に合う。私と友人以外にお客さんはいない、急いで受付に向かい「勾玉作りたいんですけど」。なんだコレ‥恥ずかしいぞ‥!体験料の100円を払い、簡単な説明を受けたあとは四角い石とヤスリを渡されるので、説明書を読みながらせっせと削る。ひたすら削る。意外と難しい。飛行機の時間は迫っている。削って、削って、ヤバイ楽しい、削って、ようやく完成!ヒモをもらったのでネックレスにしてみる。日常で使うことはまず無いが、今でも大事にとってある。大急ぎで空港に向かい、友人は関空へ、私は羽田へと帰路に着く。




皆既日食の当日、他の島ではテントも倒れる暴風雨で皆既日食どころではなかったようだ。私は泳げないので海で遊ぶという選択肢は無く、8日間も過ごすには時間を持て余す小さな島だったけど(電気もないテント暮らしだし)、喜界島に行ってよかった。結果的には奄美大島にも行けたし。指宿温泉もよかった。旅って楽しい。